RESEARCH研究
大動脈瘤・大動脈解離
◎「大動脈研究」という冒険
大動脈チームでは、大動脈瘤と大動脈解離の病態解明に挑戦しています。研究メンバーは内科及び外科の若手医師が主力で、研究手法としては大動脈疾患のマウスモデルとヒト組織の組織学および分子解析が主軸です。
チーム内のディスカッションでは、問題を整理して実験し、新しい結果を適切に理解する論理的な考え方をとりわけ重視しています。大動脈疾患には謎が多いだけに、その研究は新しい発見に次々と出会う冒険のようです。研究に興味がある方、問題解決能力を鍛えたい方は、どうぞご一報ください。
スタッフ紹介
青木浩樹、大野聡子、古荘文、平方佐季、西田憲史、伊東壮平、橋本洋平、眞島涼平、柴田怜、中尾英智
心不全・心筋症
心筋傷害ストレスに対する心筋保護機構と心不全・心筋リモデリングの病態において、サイトカインと細胞内情報伝達の制御に焦点をあてて研究をおこなっています。JAK/STAT経路を制御するSOCS分子の臓器特異的な遺伝子改変マウスを用いて、梗塞後心不全、虚血再灌流障害、ドキソルビシン心筋症、remote ischemic preconditioningなどの病態解明を目指しています。新たな心不全の病態や心筋保護機構を明らかにし、新しい治療法の基盤となるような知見を見出すことを研究の目標としています。
スタッフ紹介
安川秀雄、馬渡一寿、佐々木知子、高橋甚彌、野原正一郎、下園弘達、柴田龍宏、楊井俊之、岡部浩太、赤垣大樹
血管新生
私たちの教室では2000年より血管新生療法を行っていますが、一部の患者さんでは十分な効果を得ることができませんでした。その原因を分子細胞生物学的に解明し、実験細胞や実験動物を用いて、現在の治療効果を上回る新たな血管新生療法を開発する研究を行っています。
スタッフ紹介
佐々木健一郎、大塚昌紀、仲吉孝晴、佐々木基起、石崎勇太、片伯部幸子、吉川尚宏、高田優起
画像診断
画像診断班では、形態イメージングであるcomputed tomography (CT)・magnetic resonance imaging (MRI)に加え、分子イメージングであるpositron emission tomography (PET)を用いて心臓や血管の局所で起こる分子の挙動を外部から可視化・定量化し、心血管病の病態活動性について評価しています。 特に、PETを用いて冠動脈プラークやステント留置後の炎症を描出し、イベント発症やステント合併症を予測することができないか、また、心サルコイドーシスにおける心筋炎症が致死的不整脈や生命予後におよぼす影響について調査しています。最近では、脂肪細胞における炎症や脳ブドウ糖代謝についての臨床研究を進めています。
スタッフ紹介
田原宣広、田原敦子、本多亮博、戸次宗久、緒方詔子
肺高血圧
近年、肺高血圧症に対する治療は飛躍的に進歩し、予後不良と言う疾患概念は大きく変わりつつあります。しかしながら、肺高血圧症の成因は未解決な部分が多く、完治は未だ不可能です。我々は、特発性肺動脈性高血圧症と慢性血栓塞栓肺高血圧症に焦点をあて、主に肺動脈内皮細胞のストレス応答や凝固線溶系異常の研究を通して、新たな治療戦略となりうる知見を模索しています。独自の臨床経験から得られた発想を研究に反映させ、独創性の強い研究を施行しています。
スタッフ紹介
福本義弘、田原宣広、杦山陽一
疫学
当研究室は、1958年以来継続して行っている田主丸検診と2002年以来行っている長崎県の離島、宇久町での住民検診が、大きな2本の柱になっています。 田主丸検診は、「世界七か国共同研究」の一環として、10年に一度のサイクルで、約2000人規模の大検診を行っていますが、2018年に検診を予定しています。動脈硬化の検査、栄養調査の他、最近の時代のニーズに合わせて、ストレス度チェックや認知症の検査など、住民から多くの情報が得られるように工夫しています。 宇久町検診は、毎年、7月中旬に2泊3日の日程で、約220人の受診者が来られます。すでに、15回行い、延べ人数は、3,000人を超えています。
スタッフ紹介
榎本美佳、深水亜子、中村佐知子、野原夢、古野晶子、森川渚、阪上暁子、山本麻紀、佐藤宏美
冠循環
スタッフ紹介
仲吉孝晴、光武良亮、板家直樹、佐々木雅浩、石松高、山路和伯、中野仁晴、吉賀巧
不整脈
重篤な後遺症を残す脳卒中が社会問題となる中、解決には各領域の専門家が密接に連携していくことが求められています。我々も、不整脈の立場からアブレーションでの心房細動への介入に加えて、抗凝固薬の適切な普及が重要な課題となっています。現在、脳卒中をなくすべく、心房細動の原因解明から進展抑制の機序を解明すること、また病態に応じた最適な治療アプローチを探す試みを行っております。加えて、抗凝固薬や糖尿病薬など現在用いられている薬剤に今までとは異なる多面的効果を見出していくことを視点とした研究を行っております。
スタッフ紹介
大江征嗣、熊埜御堂淳、伊藤章吾、服部悠一