＜論文タイトル＞

Differential impacts of 24-hour urinary sodium excretion on cardiovascular diseases or cancer mortality in a general population

＜共著者＞

Yume Nohara-Shitama, Hisashi Adachi, Mika Enomoto, Ako Fukami, Nagisa Morikawa, Akiko Sakaue, Kenta Toyomasu, Maki Yamamoto, Yoshihiro Fukumoto

<論文要旨>

本研究は1980年に田主丸検診を受診した一般住民1,291名を平均27.5年追跡し、24時間蓄尿検査を用いたナトリウム排泄量と心血管死亡、がん死亡との関連を評価したものです。結果、ナトリウム排泄量は心血管死亡と有意な負の関連を認め、がん死亡ではこの関連は認めませんでした。ナトリウム排泄量はナトリウム摂取量と正相関するとされており、本研究の結果は過去の多くの報告と異なるものになります。いくつかのlimitationはありますが、心血管病においては食事量(栄養状態)を維持し、血圧をコントロールすることがより重要である可能性が考えられました。またCKD患者ではナトリウムの排泄量の減少は食塩感受性の上昇を意味している場合があり、注意が必要です。

今回、平均27.5年という長期間の縦断研究で、かつ24時間蓄尿検査を用いての報告は非常に貴重なものであり、一般住民においてナトリウム排泄量が心血管病による死亡と負の関連を示し、がん死亡との関連とに違いが示されました。

野原夢先生、おめでとうございます！