業績2021.09.10
福本義弘教授のEditorialがEuropean Heart JournalにAcceptされました!高安動脈炎に伴う肺高血圧症の臨床像と長期予後を検討した中国からの論文に対するEditorialです。その論文では、肺血管拡張薬が肺血行動態を改善させるものの、運動耐容能と症状は改善させず、3年生存率が83.2%、予後規定因子は失神、NTpro-BNP、平均左房圧であったことが報告されました。
高安動脈炎全体の5年生存率が92.1%であることを考えると肺高血圧症の合併は予後を悪化させることがわかりましたので、Editorialでは、高安動脈炎患者で肺高血圧症を示唆するような所見(労作時息切れ、右心負荷所見など)があれば、なるべく早く動脈炎の範囲の検討と心エコーを行い、肺高血圧症が示唆されれば右心カテで確定診断し、高安動脈炎に対する治療と、まだ承認されていませんが、肺血管拡張薬の早期投与を考慮すべきである、と記載しています。
高安動脈炎と肺高血圧症はともに核となる病態が未解明の難治性循環器疾患です。予後改善につながる診断・治療法の選択について攻めの姿勢で考察された、示唆に富むEditorialだと思います。
福本教授、おめでとうございます!