業績2023.02.21
岩橋秀明先生の症例報告が Circulation:Cardiovascular ImagingにPublishされました!<タイトル>
Fatal Pulmonary Embolism Resulting From a Popliteal Venous Aneurysm
<著者>
Hideaki Iwahashi, Kisho Ohtani, Minako Fujiwara and Toshihiro Nakamura
<雑誌名>
Circulation:Cardiovascular Imaging
<論文要旨>
膝窩静脈瘤は稀な疾患ではありますが、深部静脈血栓症や再発性の肺血栓塞栓症を来す可能性があります。肺血栓塞栓症を発症した静脈瘤の中では膝窩静脈瘤の頻度が最も多いと言われており、肺血栓塞栓症を来した場合は抗凝固療法のみを行っても高頻度で塞栓症を再発するとの報告もあります。鑑別疾患に、膝関節の滑液包が袋状に腫大し突出したベーカー嚢腫がありますが、膝窩静脈瘤とベーカー嚢腫の鑑別としてはエコー検査やCT検査で血管と嚢胞様構造物の間に交通があるかを評価する事が大事になります。今回の症例も嚢胞様構造物と血管との交通を評価することで静脈瘤の診断に至り、肺血栓塞栓症再発を防ぐことができたのではないかと考えました。また、受診時に鑑別を早期に行い、下大静脈フィルター留置や血栓溶解療法などの治療を検討すべきだったと反省した症例でした。
より早期に多角的な視点で評価を行うことで致死的な肺血栓塞栓症再発を防げたであろうと痛感し、反省した症例です。今回の反省症例を共有することで、今後の診療に役立てていただけたらと思います
今回の症例報告にご指導いただいた九州医療センター循環器内科の大谷規彰先生、お力添えを頂いた先生方に心より感謝申し上げます。
リンク
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCIMAGING.122.014663
岩橋先生、おめでとうございます!